ハラスメントポリシー
以下のハラスメント行為を禁止いたします。

ジェンダー・性的指向・障碍・容姿・人種・民族・年齢・宗教​​​​等についての差別的/攻撃的な言動(戯曲等、古典や近代の作品で作者が時代劇など当時の表現で差別用語等を用いている場合を除く)
脅迫、ストーキング、つきまとい
事前に合意のない撮影や録音
クラスやレッスンでの発表やその準備の妨害行為や責任の放棄
「アドリブ」含め、作品作り及びレッスン内容に不必要かつ不適切な身体的接触
性的な画像の掲示など不適切な情報の開示
当事者間で事前に合意や振付のない性愛および関連した疑似行為(作品中を含む)
不適切な画像、動画、録音の再生(性的な画像や性暴力描写など) や共有
当事者でなくとも、以上のような行為の推奨や擁護
講師で含め、クラスのゲスト、スタジオのスタッフもこのポリシーの対象となります。

同様に講師やゲストに対する「逆ハラスメント」もお断りいたします。

例えば、災害、事故、急病などの緊急性のある理由とは無関係の度重なる遅刻や早退、​​理由なき無視や黙り込みもハラスメントです。断続的であってもそれらは「パッシブ・アグレッション(受動的攻撃行動)」にあたります。注意ののちに改善がみられない場合、受講の停止、今後のクラスやレッスンへの参加をお断りします。

私も受けました一般企業のハラスメント防止研修では、最初に「相手はハラスメントと感じるかも知れない」から始まります。当然、相手の主張が常に正しいわけではありませんが、可能性を立ち止まって検討することは、創造性にも役立ちます。

もちろん、ジャンルの発展やさらなる挑戦のために、かつて問題がないとされてきた不平等や悪しき慣例や、過去の因習を破ることも、文化芸術のためには必要なときもあります。

しかし「基本的人権」とは異なった議論であり、人権を踏み躙ることは許されません。

私自身、特に日本では実演家の場合、演出家や監督、先輩や目上の方々の行動を疑わず、集団で「同調する場面」が目立つように感じます。

映画/舞台芸術/芸能の世界が大変特殊でいわゆる一般企業とは違うと感じるのは個々の自由ですが「基本的人権」は同じはずです。

ハラスメントでグレーな部分はあるという論争も理解しております。

本当の意味で有益かつ効果的な厳しい指導の本質とは、自己研鑽の場を提供し、いわば間接的にそれぞれの成長を促すものです。
特に、普遍的な価値や個人的な意味づけ、そして深い感情や感覚体験を引き出そうとする芸術の世界では厳しい指導も必須と考えます。特に火や水、舞台装置やアクション、場合によっては飲食物を含む場合、死亡事故をも起こしてしまう可能性のある舞台や各種芸術の現場では、安全や衛生を軽視する行為を厳しく叱責することは必要です。

加えて、専門家としての特定のアドバイスや特別に考案されたエクササイズ等の実施と継続的なフィードバック、そして適切な目標の設定によって、学び手側が自ら気づき、スキルアップや内面の掘り下げを促進するものと考えます。

相手に利己的な欲求を押し付け、受け入れざるを得ないよう圧力を加えたり、外界から閉ざれた空間や集団の中で歪んだ認知に没入させたりする、一種の洗脳にも似た行為も残念ながら散見されますが、本物の指導や振付はそのようなものとは無縁と私は考えます。

承認欲求を伴う自己愛は人間であれば誰もが持っているものであり、それは、外界に向かって己を懸けていく表現活動において、クリエイティブな欲動を促進するポジティブな作用もあるかと思います。しかし、そのバランスを見誤ると、自己愛に歪みや肥大が生じ、周囲や他者にとって有害なものとなり得るということに、私たちはもっと自覚的になる必要があると思うのです。

個人がより建設的で、目的に適した健やかな方法を選ぶことで、より創作の場が活発になり、強みを生かした活動が盛んになっていくことにつながると信じて、私も一層の精進を続けてまいります。

公演やワークショップに際し、ハラスメントに対するステイトメントを出す主催者や声明を発表した団体も増えてきています。しかし「言葉でいう(書く)、言葉をきく(読む)」だけでは、実際に変化をしたとは言えないことを、実演家はその身をもって実感しているはずです。したがって、私は一般のさまざまな企業や職種の方々と実際に交わり、一般的な研修を受講することが不可欠だと考え、今日に至ります。2022年より、私自身、日本ではハラスメント相談員研修およびハラスメントカウンセラー研修を受け、また更新しております。

そして、厚生労働省の「職場におけるハラスメントの防止のために(セクシュアルハラスメント/妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント/パワーハラスメント防止のために」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html

に準拠し判断および対応しております。

ガイドラインを設けることで、ある種「特殊な業界」というバイアスを避けられれば、中長期的な労働環境の改善にもつながるのではないかと考えます。

ハラスメント防止対策
上記厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」準拠し判断および対応していきます。
演技指導やサイドコーチング、振付の性質上、運動やうごきのご提案の際に、身体に接触することがありえます。その際は、目的や理由を明確に言語化し、共有し、事前に確認いたします。
(例 癖に気づいてもらうため、移動の体勢等の修正のため、所作やジェスチャーの指導や振付のため受講者の身体に触れること)
意思疎通の言語化や内容共有に時間をかけ、またメモのような形で、具体的に可視化し、記録します。
上のハラスメントポリシーに全員の同意をお願いします

*SNSでのクラスや振付のご紹介や宣伝、ご感想やご活躍の様子のシェア等は歓迎しております。個人レッスンやクラスの開催、団体ワークショップ等のオーダーメイドのカリキュラム相談も含め、オンラインでの打合せも対応しておりますので、ご相談ください。

もし、ハラスメントを受けていると感じたり、他の誰かがハラスメントされていることに気がついた場合は、ご連絡ください。必要やご希望に応じて、医療機関等への連絡、カウンセラーのご紹介などを含め、みなさまが安心して活動を続けていかれるよう、お手伝いいたします。

Intimacy Director/Acting Coach 鍬田かおる